スインガーZ

意味がなくてもスイングする 

The Complete Abashiri Concert / Art Pepper

2009/06/01 Mon [Edit]

art pepper 01
Unreleased Art, Vol. 1: The Complete Abashiri Concert - November 22, 1981

Disc 1
1. LANDSCAPE
2. BESAME MUCHO
3. RED CAR
4. GOODBYE
5. STRAIGHT LIFE

Disc 2
1. ROAD WALTZ
2. FOR FREDDIE(PART ONE)
3. FOR FREDDIE(PART TWO)
4. BODY & SOUL
5. TALKING
6. RYTHM-A-NING
7. BLUES ENCORE(INC.)

ART PEPPER(as), GEORGE CABLES(p), DAVID WILLIAMS(b), CARL BURNETT(ds)

近年アート・ペッパーの発掘盤がたくさん出ているようだ。これは2007年に発売されたCDで、最後の来日になった北海道網走公演の模様を録音した一枚。カセット・テープのプライベート録音からのCD化2枚組み。
1981年11月22日録音。ペッパーの死のおよそ半年前。カセットテープに録音していたのは、名前もわからない「The Kid」と記されている少年。ライナーには写真が載っている。
art pepper 02
art pepper 03

一曲目は途中からのフェードインになっている。カセットでの私家録音盤にしてはそれほど音は悪くない。

ペッパーは77年が初来日で、その後は78,79,80,81年と毎年来日している。如何に日本でペッパーが人気があったかという証明だろう。復帰後のペッパーも極東の島国で自分のジャズがこんなに賞賛と共に受け入れられるのをみて驚いたと思う。

そう考えるとワタシも聴きに行く機会があったはずだが、残念ながら行けていない。
アルトサックスの多田誠司さんが、学生時代にペッパーの来日公演にアルバイト・スタッフとして一緒に回ったというエピソードを何かの雑誌に書いていた記憶がある。ペッパーの演奏に対するまじめなで真摯な態度に感動し影響を受けたという。

アート・ペッパーは日本でも最も人気のあるアルト奏者の一人だけど、やはり50年代の演奏が圧倒的に人気があるし私も好きだ。60年代以降は麻薬禍で何度か収監されその後療養施設に入所したりで、ジャズ奏者としては10数年間のブランクがある。ブランク後(その間にも僅かだけど何枚かは吹込みはある)は演奏スタイルや音色がかなり変わった。

もちろんスタイルが変わったといってもペッパーであることには間違いなく、彼独特の情念やダイナミズムは、過酷な人生のときを過ごして(その大半は彼自身が招いたものではあるのだが)、より増幅されているともいえる。
彼の後期の演奏を聴くと、どうしても彼の自叙伝「ストレート・ライフ」や自伝的ビデオ「ジャズ・サバイバー」を思い出してしまう。音楽そのものよりも、彼の過ごした「ジャズ的人生」に思いを馳せてしまうのだった。

Live at Marians / Stewy von Wattenwyl's Generations Trio

2009/05/06 Wed [Edit]

Live at Marians
Live at Marians / Stewy von Wattenwyl's Generations Trio featuring Eric Alexander (2009.4.22)

1.Fried Pies
2.Moments Notice
3.All The Way
4.Terrestris
5.Very Early
6.Sonnymoon For Two
7.On The Trail /Grand Canyon Suite
8.Stan’s Shuffle
Rcorded live at Marians Jazzroom Berne Switzerland january 18-19 ,2008

STEWY VON WATTENWYL (p)
REGGIE JOHNSON (b)
KEVIN CHESHAM (ds)
ERIC ALEXANDER (ts)

現代テナー・ジャズCD3連発。
エリック・アレキサンダーが参加したスイス、ベルンでのライヴ・アルバム。リーダーのスチュイ・フォン・ワッテンビルは62年生まれのスイス人ピアニスト。エリックとは10年前から定期的に共演しており、2003年には"Live at Bird's Eye"という共演盤(下記参照)もリリースしている。
北欧系とは一味違った熱いプレイヤーだ。スチュイのトリオにエリックがゲスト参加した形にはなっているが、どう聞いてもエリックが主体の演奏になっている。エリックのライブ盤は久しぶりだけど期待にたがわず熱い演奏を聴かせてくれる。

ヴィーナスのバラッド集にはちょっと辟易してきたところなのでwwこういう生々しい演奏を聴けるのはうれしい。一番安心してリラックスして聴ける。目新しさや実験的なところはないが、エリックのフレイズや表現手法は多彩になっており確実に進化している。いわばジャズ・テナーの現代の王道をゆくという感じだ。
ラストの曲スタンリー・タレンタインの"Stan’s Shuffle" は日本でのライブ録音「ライブ・アット・ザ・キーノート」でも吹き込みしているおなじみの曲。ライブ盤の迫力と言う点では「ライブ・アット・ザ・キーノート」のほうが(荒削りではあるが)だいぶ上回っている。

Live at Bird's Eye
Live at Bird's Eye / Stewy von Wattenwyl Trio featuring Eric Alexander (2003.4.23)
1.Second Milestone
2.Moment To Moment
3.Dolphin Dance
4.O Grande Amor
5.Olivia
6.Voyage
Rcorded live at Jazz Club "Bird's Eye" ,Basel Switzerland on March 22 ,2003

Stewy von Wattenwyl (p)
Daniel Schlappi(b)
Peter Horisberger (ds)
Eric Alexander (ts)

こちらもスイスのライブ・ハウスでの録音。2003年のライブ演奏で今から聴くと少々荒っぽい感じがするが、迫力はコチラのほうが上かな。珍しくリードミスするところもあり、かなりエモーショナルな演奏だ。フレイズの多彩さ、演奏の質では2008年の"Live at Marians"のほうが良い。ベースとドラムスはメンバーが代っている。

Metamorphosen / Branford Marsalis Quartet

2009/05/05 Tue [Edit]

Metamorphosen
Metamorphosen / Branford Marsalis Quartet (2009.3.17)

1. Return of the Jitney Man
2. Blossom of Parting
3. Jabberwocky
4. Abe Vigoda
5. Rhythm-A-Ning
6. Sphere
7. Last Goodbye
8. And Then, He Was Gone
9. Samo

Branford Marsalis (tenor,alto & soprano sax)
Joey Calderazzo (piano)
Eric Revis (bass)
Jeff "tain" Watts (drums)

ブランフォード・マルサリス・カルテットの新作アルバム。レギュラー・カルテットの演奏ということもあって抜群の安定感とテクニック。スティングのアルバムに参加していたのは有名だけど、これまであまりブランフォードのアルバムは買って聴いたことがなかった。このメンバーは素晴らしい。ピアノのカルデラッツォ、ドラムスのジェフ・ワッツは有名人なのでワタシでも聴いたことがあるけれど、ブランフォード・カルテットとしてははじめてちゃんと聴いた。
モード演奏を突き詰めていったらこうなるでしょうと言う、畢竟の演奏。それぞれの力量がたっぷりで聞き飽きない。音色もいいし録音も良い。ブランフォードは優等生的で面白くないと言われたのはかなり昔だったが、ここで聞く演奏はエモーショナルで力強い。その辺の新人ではこういう厚みのある演奏はなかなかできないだろうと思う。やっぱりジャズは面白いな〜。もっといろいろ新作も聴かなくちゃね。

5. Rhythm-A-Ning はモンクの曲でそのほかはメンバーのオリジナル曲だけど、その前後もモンク的にアウトパフォームな曲。最後の9.ではモンク的テーマからコルトレーン的インプロヴィゼーションへと続く。ピアノのカルデラッツォが素晴らしい出来映え。マイケル・ブレッカーのアルバムにも参加していたと思うが、彼のオリジナル・アルバムも聴いてみたくなった。

COMPASS / JOSHUA REDMAN

2009/05/04 Mon [Edit]

COMPASS
COMPASS / JOSHUA REDMAN (2009.1.13)
1. Uncharted
2. Faraway
3. Identity Thief
4. Just Like You
5. Hutchhiker's Guide
6. Ghost
7. Insomnomaniac
8. Moonlight
9. Un Peu Fou
10. March
11. Round Reuben
12. Little Ditty
13. Through the Valley

Joshua Redman (ts , ss)
Brian Blade (ds) [2〜4,6,8〜13]
Larry Grenadier (b) [1〜6,8,10,12,13]
Gregory Hutshinson (ds) [1,3〜5,7,8,10,12]
Reuben Rogers (b) [1,3,4,7〜13]

前作の「Back East」がわりと良かったので、2年ぶりの新作となるこのCDも買って見ました。
ピアノレス・トリオと言うフォーマットは前作同様だけど、全体を通しての印象はかなり違うものになっている。前作はピアノレスと言うフォーマットを生かした自由奔放でアグレッシブな面があったけれど、今回の「コンパス」では抑制の効いた冷徹な雰囲気の作品になっています。
9曲がオリジナル、他のメンバーの曲と共作で3曲、それにベートーヴェン「月光」第一楽章と言う構成。
ドラムスとベーシストが二人ずつ参加しているが、曲によって通常のトリオ、1ドラムス+2ベース、2ドラムス+2ベースなどと組み合わせを入れ替えて演奏している。
抑制の効いた静かな導入部から次第に盛り上がってゆく構成が多いが、ドラムス、ベースのソリッドな音や絡み合いが絶妙でなかなか聴かせてくれる。こういうヘンテコな編成にもかかわらずそれほどの違和感がないのは、それぞれのミュージシャンの力量が圧倒的にすごいからなんでしょう。違和感や同じ楽器同士の対立よりも調和や協調というイメージのほうが強い。かといってあらかじめ決められたアレンジだけではない即興ダイナミズムも併せ持っている。なかなか聴くには手ごわいけれど面白い内容だ。抑制した演奏でエモーションを表現していくと言うカタチを模索しているように聴こえる。

ぱっと聴いてスゴイ!!と食いつきの良いCDではないけれど、じっくり右や左とやや前方右と中央より左、それぞれに定位するベースやドラムスの演奏を聴き比べるとその面白さが倍増します。ちょっと凝り過ぎの気がしないでもないけれど。。。

Jazz in the Garden / The Stanley Clarke Trio

2009/04/29 Wed [Edit]

Jazz In The Garden
Jazz in the Garden / The Stanley Clarke Trio
1. Paradigm Shift (Election Day 2008)
2. Sakura Sakura
3. Sicilian Blue
4. Take the Coltrane
5. 3 Wrong Notes
6. Someday My Prince Will Come
7. Isotope
8. Bass Folk Song, No. 5&6
9. Global Tweak
10. Solar
11. Brain Training
12. Under the Bridge
13. L's Bop(Bonus Track)

Stanley Clarke (b)
Lenny White (ds)
Hiromi (p)

スタンリー・クラークと言えば、チック・コリアのリターン・トゥ・フォー・エヴァーのメンバーで、70〜80年代にはエレキベースで一時代を築いたベーシストだ。その彼がアコースティック・ジャズアルバムを出し、しかもピアノには上原ひろみの抜擢ということで、かなりの話題作となりました。
ライナーを読むと、スタンリー自身そのキャリアで初めてと言うアコースティックベースでのフル・アルバム吹込みでしかも初のアコースティック・ジャズ・トリオのレコードだと言うことだ。
上原ひろみは、デビュー以来はじめてのサイドマンとしてのレコーディング。
ドラムスのレニー・ホワイトもリターン・トゥ・フォー・エヴァーのメンバーで昨年の再結成にももちろん参加している。

チック・コリアつながり?とはいえ、ジャズ・ジャイアンツのフル・アルバムに参加し、楽曲も2曲提供しているHIROMIは世界のトップ・ピアニストとして認知されてきていると言うことだろう。すごいね。
久しぶりに買った「スイングジャーナル」では、読者人気投票で4冠制覇(「ジャズマン・オブ・ザ・イヤー」「アルバム・オブ・ザ・イヤー」「ピアノ」「作編曲」)していた。「上原ひろみ、名実共にジャズ界の女王に!!」って見出しになっていた。やっぱりすごいねww

スタンリー・クラークといえばジョージ・デュークと一緒にやっていた頃の、ブリブリ超低音エレキベースしかイメージにないんだけど、このアルバムで聴かせるウッド・ベースもゴリゴリしていてかっこよい。

1曲目の「パラダイム・シフト」はオバマ新大統領の誕生に寄せたスタンリーのオリジナル曲。
2曲目「さくらさくら」はHIROMI参加の日本イメージを押し出したものか。ジャケット写真にもなったくらい気に入った様子。ピアノの弦をはじいて琴のようにかき鳴らすパフォーマンスもあり。そういえばソニック・ブルームのギタリスト、フュージョンスキーもアドリブで「さくらさくら」の旋律を入れていたな。
3.Sicilian Blue と11.Brain Training はHIROMIのオリジナル提供曲。
7. Isotope はジョー・ヘンダーソンの「インナー・アージ」に入っているワタシのとても好きな曲。
12.Under the Bridge もなんか聴いたことある曲だと思ったら、レッチリの大ヒット曲だった。
前半のベースもかっこいいけど、HIROMIのピアノ・ソロもとてもハジケている。

ベテランに囲まれても全くひけをとっていないHIROMIがすごい。聴き応え充分のアルバムです。

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