スインガーZ

意味がなくてもスイングする 

Saxophone Colossus / Sonny Rollins

2008/05/14 Wed [Edit]

いまさら、この大名盤について解説することなんかないんだけど、ソニー・ロリンズのアルバムを聴いていこうと思うとき、どっちみち避けて通れないので、素直にこれを最初にしときます。

とにかく、すべてのモダン・ジャズのアルバムの中で一番の作品でしょう。奇跡といっても良いくらいの出来ばえです!
SAXOPHONE COLOSSUS / SONNY ROLLINS 
[PRESTIGE 7079]
1. St. Thomas
2. You Don't Know What Love Is
3. Strode Rode
4. Moritat
5. Blue Seven

SONNY ROLLINS (ts)
TOMMY FLANAGAN (p)
MAX ROACH (ds)
DOUG WATKINS (b)
1956年6月22日録音

※少し気になるのですが、この↑アルバム写真は「RUDY VAN GELDER REMASTERS」と書いてある黒い部分は、このリマスター・シリーズのためにあとから付け足したものです。マイルズのアルバムでも思ったのですが、なんだか違和感あります。
だったらこのamazonの写真使うなということですね(汗)
でも、今からCDを買うならこのシリーズが良いです。

若いときからジャズ・ファンだった人は、もう耳タコで聴きすぎて、最早めったに聴くこともないかもしれないですが、年に何回かはそれでもどうしても聴きたくなる、というほどの名盤ですよね。
ワタシも、いまさらなぁ、なんて思いながら聴きましたけど、やっぱり良いです。今でも感動します。

ソニーのテナーの音色、音量、アドリブ、メロディ、名手トミ・フラのピアノ、先輩マックス・ローチのドラムス、若きダグ・ワトキンスのベース、ヴァンゲルダーの録音、すべてが素晴らしい出来ばえです。
この1956年前後のソニーは絶好調で、他の録音でももちろん素晴らしい演奏を残していますが、人気曲「セント・トーマス」「モリタート」およびきわめつきスタンダード「ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ」、ソニーの名オリジナル「ストロード・ロード」「ブルー・セブン」と選曲も一部のすきもない完璧さです。このときソニー・ロリンズ26歳。
できれば、許す限りの大音量で聴きたいところです。

 ※ちなみに、この録音の4日後にドラムスのマックス・ローチと双頭バンドを組んでいて、ソニーもそのバンド仲間だった、天才トランペッター、クリフォード・ブラウンが、バド・パウエルの弟のピアニスト、リッチー・パウエルとともに自動車事故で急逝しています。

1.セント・トーマス
ソニーのオリジナルで彼の代表曲。ヴァージン諸島の島の名前。ソニーの母親の出身地。
「幼い頃に母親に聴かされたカリブの音楽が、私の創作のルーツになっている。」
このアルバムが初出。
来日ライブでは必ず演奏した。

2.ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラブ・イズ
1941年「凸凹空中の巻」というわけわからん題名のアボット&コステロの喜劇映画の主題歌。
主題歌だけが有名になり、スタンダードとなった。
凸凹空中の巻


このソニーのザ・テナー!という低音ブロウが、極めつけの演奏だろうと思う。

他にもジャズの演奏には枚挙にいとまがないほどある。
特に有名なのは、ジョン・コルトレーン「バラード」、マイルズ・デイヴィス「ウォーキン」、エリック・ドルフィー「ラスト・デイト」、ピアノではマル・ウォルドロン「レフト・アローン」、ヴォーカルではビリー・ホリディ「レディ・イン・サテン」などなど。

3.ストロード・ロード
ソニーのオリジナル。印象的なテーマ、ハードでパワフルなプレイ。

4.モリタート
一般には「マック・ザ・ナイフ」という曲名で知られる。
ブレヒトの脚本、クルト・ワイル作曲による1928年のミュージカル「三文オペラ」から生まれた曲。
原題が「マッキー・メッサーのモリタート(罪状記)」
インストではこの演奏が決定版でしょう。やっぱりこれも彼の代表曲となった。

5.ブルー・セブン
ソニーのオリジナル。もともとはシンプルなマイナーブルースだが、革新的?微妙な?演奏で物議を醸した曲。
ガンサー・シュラーという音楽家が「主題に基づく即興」の代表的演奏として取上げ、有名な論文を書いたらしい。(読んだことないけど。)

超有名な「セント・トーマス」と「モリタート」を無視して、「やっぱり、サキ・コロはブルー・セブンやね〜」とカッコつけるのが通であった(汗)

             ☆        ☆        ☆
 
ソニー・ロリンズ:本名 セオドア・ウォルター・ロリンズ Theodore walter Rollins
1930年9月7日 ニューヨーク、ハーレム生まれ。

9歳でピアノを習うがすぐにやめてしまう。まだ野球のほうが好きだったからだ。
11歳でアルトサックスに魅せられて猛練習開始。
16歳でテナーに転向。
シュガーヒルの家の近所には、ジャッキー・マクリーン、ケニー・ドリューが住んでおり、しょっちゅう集まっては一緒にジャムっていた。
このころ、セロニアス・モンクと知り合い、彼からハーモニー、リズム、「間」の取り方などについて学ぶ。

高校卒業後、年齢をひとつごまかしてユニオン・カードを取得、クラブでアート・ブレイキー、バド・パウエル、タッド・ダメロン等と演奏するようになる。
マイルズと知り合ったのもこの頃で、マイルズは即座に気に入り、自分のグループに入れ、クラブ「オニックス」に出演するようになる。

1949年1月 初レコーディング 「Weird Lullaby / Babs Gonzales」 ヴォーカリスト、バブス・ゴンザレスのレコーディングに参加。
2月と5月にはJ.J.ジョンソンの2枚のサヴォイのアルバムに参加。「J.J.Johnson's Jazz Quintets」「Mad Bebop」
さらに8月には、バド・パウエルのブルーノート盤「The Amazing Bud Powell Vol.1」に参加。

しかし、この1949年の秋ごろからヘロインに手を出すようになり、麻薬所持で逮捕される。
8ヶ月間投獄され、出所してすぐにマイルズのプレステッジ録音に参加している。
1951年1月 「Miles Davis And Horns」 [Prestige7025]

このセッションの終りに、マイルズの申し出でソニーの初リーダー録音を1曲だけ行う。
これが「Sony Rollins With The Modern Jazz Quartet」 [Prestige7029]に入っている「アイ・ノウ」。
ジョン・ルイスが先に帰ってしまったので、なんとマイルズがピアノを弾いているのである。

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